多くの介護付き有料老人ホームにおいて、「終身介護」が謳われています。
通常、「終身介護」と聞くと、一度入所したら、最期までそこで介護を受けられるというふうに考えがちです。しかし、実は、そうでないという場合が多いのが実状なのです。
本来、入居の際に虚偽の事項を記載したとか、定められた利用料を滞納するなどといった場合は、利用者側の責任により、退去を命じられたとしても、それは仕方がないことです。
しかし、老人ホーム側から、一方的に契約の解除を申し渡されるケースとして、その他に問題となるのが、入居者の長期の入院や、痴呆症による問題行動が発生した場合です。
まず、長期の入院の場合ですが、老人ホームには実際に住んでいないのに、部屋代や管理費などを、そのまま徴収され続けるケースが多く、食費なども、一部減額のみというところが多いようです。しかも、それがある一定の期間続いた上に、かなり長い期間にわたり、入院が続いた場合、最終的には、退去を迫られてしまうということです。
また、認知症の発症、または、症状の進行の度合いによって、「他の入居者の生命や生活に危険を及ぼす危険がある」と判断された場合、あるいは、その有料老人ホームの「禁止事項」に該当するとされた場合には、やはり退去を求められることになります。
しかし、実際には、それが、どれほど客観的な判断に基づくものか、不透明なところがあります。他の入居者とのトラブルについては、集団生活の中では、ある程度避けられないものとも言えます。しかし、それに対する施設側の対応に対して、利用者は、やはり弱い立場にあるといわざるを得ません。
「終の棲家」として、安心して暮らせるはずを見つけたはずだったのに、途中で退所せざるを得ないような状況に陥った場合、経済的にも、精神的にも、その打撃は、本人、家族にとって、はかりしれないほど大きなものとなります
そのような事態を避けるためにも、万一の場合にそなえて、退去の要件、過去の具体的な事例などについて、よく確認しておくことが賢明でしょう。
日本では現在、高齢化・少子化が急速に進んでいます。そして、そのことによって、高齢者の幸せを家族だけ支えていくことは難しくなっています。社会全体で、高齢者の幸せをの向上、維持をはかる仕組みを確立することはできないのでしょうか。昭和38年、高齢者の福祉の向上を図ることを目的とした「老人福祉法」が制定されました。高齢者の福祉とは、社会福祉制度の一分野で、老人福祉とも呼ばれているのです。特に、高齢者を対象とするサービスのことを指しています。
「老人福祉法」は、老人福祉の原理を明確にして、高齢者の心身の健康を保持しながら、生活を安定させるために、必要な措置を講じるために存在する法律です。かつて、すべての高齢者を対象として、その社会保障を担っていましたが、財政悪化により、現在では、「老人保健法」、「介護保険法」が適用されない場合に限り、老人の福祉を行う根拠として用いられるようになっているのです。
高齢者の福祉としては、在宅福祉と施設福祉の2種類があります。在宅福祉には、ホームヘルプ、ショートステイ、デイサービス、グループホームなどがあります。施設福祉は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、老人介護支援センター、老人福祉センターなどがあります。軽費老人には、A型、B型の区分がありますし、ケアハウスはこのような種類の老人ホームの一種であるといえます。