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現在、日本では、高齢化・少子化が、急速に進展しています。そして、そのことによって、高齢者の幸せを、家族だけで支えていくことは、もはや難しくなっています。社会全体で、高齢者の幸せをの向上、維持をはかる仕組みを確立することはできないのでしょうか。

昭和38年、高齢者の福祉の向上を図ることを目的として、「老人福祉法」が制定されました。高齢者の福祉とは、社会福祉制度の一分野で、老人福祉とも呼ばれています。特に、高齢者を対象とするサービスのことを指します。

「老人福祉法」は、老人福祉の原理を明確にし、高齢者の心身の健康を保持し、生活を安定させるために、必要な措置を講じるために存在する法律です。

かつては、すべての高齢者を対象として、その社会保障を担っていましたが、財政悪化により、現在では、「老人保健法」、「介護保険法」が適用されない場合に限って、老人の福祉を行う根拠として用いられるようになっています。

高齢者の福祉としては、在宅福祉と施設福祉の2種類があります。

在宅福祉には、ホームヘルプ、ショートステイ、デイサービス、グループホームなどがあります。施設福祉には、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、老人介護支援センター、老人福祉センターがあります。軽費老人には、A型、B型の区分があり、ケアハウスも、この種類の老人ホームの一種であるといえます。

日本の高齢化は、世界に類を見ないスピードで進展しています。高齢化率14%という、現在の高齢化社会は、あと数年後には、高齢化率21%を超える、超高齢化社会に突入してしまいます。

高齢者福祉サービスの受給者が、増加の一途をたどる一方、それを支える若者世代の減少という問題が起きています。安定したサービスの提供を受けるためにも、根本的な対策が期待されます。

加速する高齢化社会のニーズに応え、老人ホームの数は増加しています。公的と民間、いずれにおいても、様々なタイプの老人ホームが存在し、また、それぞれに、メリット、デメリットがあります。

これから、メリットのさらなる拡大、デメリットの縮小・解消が望まれます。主な老人ホームについて、その現状を以下にあげてみます。

【主な老人ホームのタイプ】

●介護老人福祉施設(「特別養護老人ホーム」「特養」)。
●介護老人保健施設(「老健」)
●グループホーム
●有料老人ホーム

介護老人福祉施設は。費用が安価である反面、入所待機となるケースが多いです。また、大部屋(相部屋)に生活とすることになる場合が多いというのも、敬遠される理由のひとつとなっています。

介護老人保健施設は、病院と自宅の中間施設です。ひとことでいうと、リハビリ施設です。ただし、入所期間が3ヶ月程度とされていることから、いずれは退所することを念頭においた上で入所する施設ということになります。

ケアハウスは、原則は個室です。ほとんどの場合、食事サービスがついていますが、あくまで身の回りのことを自分でできる、比較的自立した人の入所が前提になっています。介護の必要度が大きくなると、退所しなくてはなりません。

グループホームは、個室での生活を基本としつつも、食事や入浴は共同生活スペースを利用する施設です。軽度の痴呆症の方にとって、家庭的な環境での共同生活は、適度な刺激となり、症状の進行を遅らせるというメリットがあるそうです。

有料老人ホームは、民間のホームで、ほとんどが株式会社経営であることから、個人のニーズや好みに合わせて選択できるというメリットはあります。しかし、かつては、高額な資金が必要なホームが多いというのが実状でした。現在では、比較的安い費用のところも登場しつつあります。個々の様々なニーズに応じるために、今後、さらに多様化することが予想されます。

それぞれに一長一短があります。また、これらの従来のタイプに加えて、新しいタイプの施設も、模索され始めています。

老人ホームといっても、様々な性格の施設があり、その種類は、10類にもおよびます。

「養護老人ホーム」、「特別養護老人ホーム」は、行政の措置としての入所であることから、入所するためには年齢、介護状態など、一定の条件がかせられます。

また、比較的、低費用で入所できる「軽費老人ホーム」は、あくまでも、自立した生活が可能な健康状態、機能状態が入所の条件になります。そして、それが不可能な状態になると、必然的に、退所しなければならなくなります。そんなことでは、将来、身体が不自由になったときに、どうしたらいいのだろうと、不安になってしまいます。

その点、有料ではあるものの、私的契約のもと、自分の希望条件に合ったホームを探したいという方のためにあるのが、「有料老人ホーム」です。有料老人ホームには、次のようなものがあります。

●健康型有料老人ホーム
介護が不要で、自立した生活を営むことが可能な人だけを対象としたホームです。介護保険の適用はなく、介護が必要となった場合には、退去しなくてはなりません。

●住宅型有料老人ホーム
入居の時点で介護が不要な人も、必要な人も対象にしています。ホーム自体は、介護サービスの提供を行うことはしませんが、訪問介護、訪問看護などの、居宅サービスの対象になります。入居者が、外部の介護事業者と個人的に契約をして、サービスを受けることになります。

●介護付有料老人ホーム
介護が不要な人と必要な人が、共に生活をします。ホーム内で、介護サービスを提供しています。有料老人ホームの、最も一般的な形態です。介護を含む、日常生活全般の支援を包括的に受けることができます。介護付有料老人ホームには、さらに、生活様式によって、さまざまな方式があります。入居を希望される方が、どのような環境を希望されているのか、身体的な条件などから、それぞれに合ったホームを選ぶことが大切になってきます。

老人保健施設、いわゆる老人ホームには、公的な資金で運営されているものと、個人の資金によって運営されているものがあります。

個人の自由な選択によって入所する、「有料老人ホーム」とは異なり、行政の「措置」として入所する、介護保険施設である「特別養護老人ホーム」の場合は、入所の条件として、要介護度~5が定められています。では、この要介護1~5とは、どの程度の健康、機能状態のことをいうのでしょうか。

以下に、介護認定による、「自立」、「要支援」、「要介護1~5」の症状の目安をあげてみます。


●自立
介護が必要ないと判断された状態です。「自立」と判断された場合、介護保険サービスの対象になりません。

●要支援
ほぼ自立して生活する能力がある状態です。しかし、生活する上で、なんらかの介助を必要とする状態です。

●要介護1
自立した生活がある程度可能な状態です。しかし、歩行や立ち上がりなどの動作に、やや不安があるなど、部分的な介護が必要とされる状態です。

●要介護2
歩行や立ち上がりなどが困難なことが多く、日常生活に支障をきたす状態です。食事や排泄などに、部分的、全面的な介護が必要です。

●要介護3
歩行や立ち上がりなどの動作が、かなり困難です。食事や排泄に、全面的な介護が必要となります。

●要介護4
立ち上がりなどの動作が、かなり困難です。生活の大半にわたり、全面的な介護が必要となります。

●要介護5
寝たきりの状態などをさします。生活に必要な動作が、ほぼ不可能で、生活全般にわたって介護が必要です。


2005年に、介護保険制度が見直され、要介護認定の介護度の「要支援」と「要介護1」の間に「要支援2」が加えられました。

そして、要介護状態にならないために、筋力のトレーニングや、栄養改善などの介護予防サービスが開始されました。また、特別養護老人ホームを含む、介護保険施設や、ショートステイなどの利用者から、新たに、食費、住居費などの、生活必要費用、いわゆるホテルコストが徴収されるようにもなりました。

これにより、負担が大きくなる人もいますが、一方、所得によってホテルコストが変化するため、低所得者には負担が軽くなるよう考えられてもいます。

つい年のせいと考えがちですが、人や物の名前がなかなか思い出せない、何度も同じ言葉や行動を繰り返すなどの症状は、実はアルツハイマー病だったということは、よくあることです。

アルツハイマー病とは、脳を構成している神経細胞が、通常の老化に比べて、より速いスピードで、急速に失われていく病気です。その結果、認知症につながっていく病気です。

65歳以上の患者の、5パーセントが認知症と診断されています。そして、そのうちの、0パーセントが、アルツハイマー病に由来しているといわれています。その他、30パーセントは、脳梗塞や脳出血による脳血管性の認知症であるとされています。

老化による物忘れとは違って、認知症による物忘れには、いくつかの特徴があります。

例えば、老化の場合は、名前や日付などを、とっさに思い出すことができません。一方、認知症の場合は、体験した全てのことを忘れてしまいます。また、最近の出来事の記憶が、抜け落ちてしまうというとも、この病気の特徴です。

さらに、時間や自分のいる居場所の意識がなくなってしまいます。老化の場合は、そのようなことはありません。また、認知症の場合、幻覚や妄想を伴うこともよくあります。そして、人格崩壊を招くことすらあるのです。そのため、社会生活を送ることが困難になり、寝たきりになってしまいます。

認知症のお年寄りが、悪徳業者に騙され、全財産をとられてしまったというケースが、ニュースなどで報道されたりしています。

認知症をはじめ、知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が不自由な方々に代わって、不動産や預貯金の管理をしたり、介護サービスなどの契約を結ぶ代行をしたりする制度として、「成人後見制度」という制度があります。

現在、全国各地に、認知症の老人を受け入れるための老人ホームも、増加してきています。また、入所後に認知症になった、あるいは症状が進行してしまった場合に、老人ホームが、当人に代わって福祉サービスの申請を行ってくれるケースもあります。

認知症(痴呆症)は、高齢化社会においては、身近な病気となりつつあるようです。

多くの介護付き有料老人ホームにおいて、「終身介護」が謳われています。

通常、「終身介護」と聞くと、一度入所したら、最期までそこで介護を受けられるというふうに考えがちです。しかし、実は、そうでないという場合が多いのが実状なのです。

本来、入居の際に虚偽の事項を記載したとか、定められた利用料を滞納するなどといった場合は、利用者側の責任により、退去を命じられたとしても、それは仕方がないことです。

しかし、老人ホーム側から、一方的に契約の解除を申し渡されるケースとして、その他に問題となるのが、入居者の長期の入院や、痴呆症による問題行動が発生した場合です。

まず、長期の入院の場合ですが、老人ホームには実際に住んでいないのに、部屋代や管理費などを、そのまま徴収され続けるケースが多く、食費なども、一部減額のみというところが多いようです。しかも、それがある一定の期間続いた上に、かなり長い期間にわたり、入院が続いた場合、最終的には、退去を迫られてしまうということです。

また、認知症の発症、または、症状の進行の度合いによって、「他の入居者の生命や生活に危険を及ぼす危険がある」と判断された場合、あるいは、その有料老人ホームの「禁止事項」に該当するとされた場合には、やはり退去を求められることになります。

しかし、実際には、それが、どれほど客観的な判断に基づくものか、不透明なところがあります。他の入居者とのトラブルについては、集団生活の中では、ある程度避けられないものとも言えます。しかし、それに対する施設側の対応に対して、利用者は、やはり弱い立場にあるといわざるを得ません。

「終の棲家」として、安心して暮らせるはずを見つけたはずだったのに、途中で退所せざるを得ないような状況に陥った場合、経済的にも、精神的にも、その打撃は、本人、家族にとって、はかりしれないほど大きなものとなります

そのような事態を避けるためにも、万一の場合にそなえて、退去の要件、過去の具体的な事例などについて、よく確認しておくことが賢明でしょう。

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