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毎日の生活において、食事は、大きな意味を持つものです。それは、若い人でも、高齢者でも、また元気に自立されている方にとっても、介護が必要な方にとっても、同じことでしょう。

実際、有料老人ホームでは、それぞれ工夫を凝らして、様々なイベントを計画し、イベント食を用意したり、ホームの中にテナントを置いて、レストランを持っているところなどもあります。そして、利用者が、それぞれレストランで、好きなものを注文するというところもあるようです。中には、ちょっとした自炊スペースを設けているところもあるようです。

要介護者を対象とした有料老人ホームでは、基本的には、朝、昼、晩の3食を提供するのが一般的です。それでも、パンとライスから選択できる、メインの料理を魚、肉から選択できる、あるいは、洋食・和食といった選択ができるというところもあります。

このような、好みの違いの他に、身体的な機能や病状によっては、咀嚼力の低下から、ご飯の硬さを調節する必要が出てくる場合もあります。その場合は、全粥、5部粥、3部粥といった配慮が必要となります。おかずも、刻み食やペースト状にすることが必要なケースもあるでしょう。さらに、心臓病、糖尿病、腎臓病などのために、塩分や脂肪分の摂取を控える必要がある人もいます。

これらの個別のケアに対して、どれほど対応してもらえるのか、また、それは基本的な介護サービス内容に含まれているのか、あるいは、別途料金が発生するのかどうかを、きちんと事前に確認しておくことが必要です。

また、通常は、食堂などで一緒に食事をとるとしても、家族が訪れた際には、家族と一緒にとっても良いのか、そのスペースは用意されているかなども、事前に確認しておくとよいでしょう。いざその状況になったときに、嫌な思いをしないですみます。

何事も、事前にしっかり確認しておくことが、後々のトラブルを避けるために、とても大切になってきます。

人間が生活をしていく上で、もしかしたら、他人とのコミュニケーションほど、難しいことはないのかもしれません。

ましてや、自分の身体の自由が利かなくなり、他人の援助が必要となったときはなおさらでしょう。、それがたとえ家族であったとしても、精神的な負担は、介護を頼む側も、そして介護を受ける側にとっても、双方にとって大きなものとなります。ましてや、老人ホームでは、それを家族以外の人に依頼することになるのですから、どのような人がそれを担ってくれるのかは、非常に大きな問題です。

老人ホームでは、その施設の設備、介護サービスの内容はもちろんですが、そのホームのスタッフたちとのコミュニケーションが、非常に重要になってきます。では、老人ホームでは、一般的に、どのようなスタッフがそのサービスに当たっているのでしょうか。

●ホーム長(施設運営責任者)
施設の運営責任者ですが、必ずしも経営者と同じ人とは限りません。

●生活指導員
有料老人ホームには、必ず設置されています。入居時から、入居後の生活の中で相談に応じ、苦情などの受付け、対応してくれる存在です。

●看護師
有料老人ホームには、必ず、看護師が設置されていますが、24時体制ではありません。また、ケアスタッフをかねていることもあります。ホーム内で医療行為は行なえず、医者と連携して応急処置にあたります。

●介護福祉士
介護福祉士は、介護の国家資格をもっている人で、介護の専門知識をもって介護の実技を行うことができます。

●理学療法士
リハビリなどの科学的な療法を用いて指導する専門の担当者です。

●作業療法士
日常生活に支障のないように、心理面も配慮した上で、指導を総合的に行ってくれる専門の担当者です。

※理学療法士、及び作業療法士は、福祉器具の選択を行ったりして、個人に合わせた訓練をしてくれます。

●ケアマネージャー
支援や介護のケアプランを作成、管理をするスペシャリストです。医療、介護、保険の各分野の連携を図り、介護保険制度の中心的な役割を果たします。

●ケアスタッフ
介護スタッフです。特に資格が必要というわけではなく、看護師が兼任することもあります。

●ホームヘルパー
介護スタッフです。ホームヘルパーには、1級~3級の資格があります。ただし、施設によって資格がない人が介護にあたっている場合もあります。ホームヘルパー1級は、ヘルパーの管理も可能、2級は身体介護サービス、3級は家事支援サービスを行うことが可能とされています。

●栄養士
ホームで提供される食事は、必ず、カロリーや栄養成分が計算された上で、献立が作成されており、多くの場合、明示されています。栄養士は、個々の入居者の健康状態に合わせて、食事療法の相談にものってくれる存在です。

例えば、有料老人ホームに入居しているおばあちゃんが、お風呂で転び、病院に入院することになってしまったとき、その間、ホームには生活していないわけですが、ホームの費用はどうなるのでしょう?また、退院した際に、またホームの戻ることはできるのでしょうか? 退院後に追加の介護が必要となったり、通院の際の付き添いが必要となったりという場合は、どう対応してくれるのでしょうか?

病院に入院中は、老人ホームには、実際に生活していないのですから、介護保険に関連する自己負担分は徴収されません。しかし、管理費、食費、その他、各有料老人ホームによって、どれほど減額されるのか、また減額されないのかは、かなりの違いがあります。

基本的には、家賃や管理費は、そのまま徴収されてしまうようです。食費などは減額されるところが多い一方、それも一定期間が限度で、それを過ぎると、退所しなければならないこともあるようですので要注意です。事前に、きちんと確認することが必要です。

実際、入院時の時の支払いは、ほとんど2重払いということになってしまいますから、資金計画の際に、このような臨時の出費も見込んで、余裕を持たせておくことが必要です。

その他、介護付き有料老人ホームの場合は、基本的な介護サービスは、料金に含まれていますが、要介護度が進んで、通院費用や、オムツなどの消耗品が必要となったときには、別途費用がかかります。病院への付き添いなどは、基本の介護サービスに含まれているのかどうか、それとも、別途に費用が必要となるのかも、ある程度、将来のことを見込んで、細かく確認しておくことが必要でしょう。

自宅に居たときには、あんなにふっくらとしていたのに、老人ホームに入ってから半年後、何だか、とても痩せちゃったみたいなのだけれどと、老人ホームに、おじいちゃん、おばあちゃんを訪ねたときに、その変化に心配になるということがあります。

「しっかりと食べている?」と当人に尋ねてはみるものの、最近、ことに認知症の症状が進んだおばあちゃんの答えからは、今ひとつ、はっきりとした原因はわかりません。ホームの方に尋ねても、「大丈夫ですよ」の一言です。普段、お世話になっている手前、それ上、深く尋ねることはできないということも、多いのではないでしょうか。

老人ホームの持つ、不透明性を解消するために、公的機関による、第三者評価が求められています。平成12年6月施行の社会福祉法第78条では、「福祉サービスの質の向上のための措置等」として、次のように規定されています。


第78条

「社会福祉事業の経営者は、自らその提供する福祉サービスの質の評価を行うことその他の措置を講ずることにより、常に福祉サービスを受ける者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならない。」

さらに、その第2項では、「国は、社会福祉事業の経営者が行う福祉サービスの質の向上のための措置を援助するために、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための措置を講ずるよう努めなければならない。」と明記されています。

この流れを受け、今後、より多くの老人ホームで、情報開示がごく当然のこととして行われることを願いたいものです。

高校を卒業した若者が、大学入学を機に上京したとき、就職が決まり新しい土地に引っ越すとき、または、転勤するとき、若い人でも、生活環境の変化は、精神的にも、肉体的にも、刺激となる一方で、大きな負担になることでもあります。

ましてや、高齢者の方々にとっては、長年、住み慣れた土地を離れて、老人ホームに入居するということの不安は、想像を絶するものがあります。その不安は、入居する本人だけのものではありません。やむを得ないこととはいえ、自宅での介護に限界がある、家族にとっても、大きな決断となることでしょう。

今まで、ずっと家族で生活してきて、今更集団生活に馴染むことができるだろうかというのは、誰もが思うことでしょう。

老人ホームの選択において、費用、施設、介サービス、食事などのケアといった条件は、非常に重要な事項です。そして、それと同じくらい、いえ、ひょっとしたらそれ以上に、大きなウェイトを占めるのが、「精神的快適さ」という面から安心できる、施設のスタッフ、そして他の入居者とのコミュニケーション、交流の仕方なのかもしれません。

モデルケースとして、入居者のコミュニケーションが、特に大きな問題となる、グループホームを例に、考えてみます。具体的には、入居者同士の交流は、どのようにはかられているのでしょうか。

年間を通じて、様々なイベントを企画、提供しているホームが多いようです。例えば、春には「お花見の会」、夏は「七夕」、秋には「お月見」、冬は「クリスマス会」などです。

また、ホームの中で、個人の趣味や好みに合わせて、様々な趣味のグループが形成され、外部から講師を招いたりして、本格的に活動をしているところもあるそうです。ホームに入所する以前からの趣味を、継続的に楽しむ人、あるいは、老人ホームに入って、新しい趣味を見つける人もいます。隠れた才能を発見、開花される人も、決して珍しくないようです。

自宅での生活では、なかなか出会えない、貴重な機会もあるようです。また、これらの趣味のグループやサークルの、発表会も催されています。これらのイベントは、ホーム内だけでなく、ご家族やお知り合いの方に公開されていることが多く、ホームに入居されながらも、ご家族との交流が楽しく続けられます。

集団生活ゆえの煩わしさ、気遣いなど、デメリットももちろんあります。しかし、逆に、それをメリットとするためにも、スタッフや他の入居者の方々とのコミュニケーションを積極的にはかり、楽しむ気持ちで過ごすのも、いいかもしれません。

老人ホームの選択に当たり、様々な資料や情報を集め、慎重に検討したにもかかわらず、実際に入所してみたら、どうも実態は異なっていたというケースが、数多くあります。

有料老人ホームの経営実態や、内部状況などは、なかなか正確に把握できないというのが現状です。

不当な表示をめぐるトラブルに対応するために、公正取引委員会は、有料老人ホームに関する不当な表示について、平成16年に、厳しい基準を設けました。この基準が守られない場合は、排除命令などの厳しい措置がとられることになります。

また、厚生労働省による基準に加え、各都道府県では、独自に運営指導指針を定めています。有料老人ホームの開設に当たっては、この指針に準拠しているかどうかが、厳しくチェックされます。また現在、さらに、それが持続的に守られているかどうかの、第三者評価の徹底が、強く望まれています。

公正取引委員会、各都道府県、国民センターなどで、有料老人ホームをめぐるトラブルの事例をチェックし、公平な情報を入手するようにしてください。老人ホームの表示に関するトラブルで特に多いのは、次のような点です:

●介護職員についての表示
●医療機関との関係についての表示
●費用についての表示
●介護サービスについての表示

つまり、選択にあたっては、逆に、これらの点に着目し、その現状を確認することが、大変重要であるということです。やはり、実際に入所する本人、または家族が、何度も実際に足を運び、ご自身の目で確認し、納得のいく施設を選びたいものです。

有料老人ホームは、入居する人の、健康状態や身体の機能の程度に応じて、施設を選択することができるようになっています。

選択に際しては、①費用、②提供される介護・サービスの内容は当然ですが、長い期間にわたって、そこで生活していくわけですから、③施設の雰囲気・生活スタイルも、重要なポイントになってきます。

また、その他にも、立地条件や、交通の便、持病のある方にとっては、持続して治療を受けられる病院が近くにあるかどうかなども、重要な条件でしょう。食事が美味しいことも、もちろん大切です。


有料老人ホームの選択ポイント


①費用

・入居一時金
・毎月の費用
・その他の費用
上記3点についてまずはしっかり考え、無理のない資金計画を立てることが重要です。


②提供されるサービス・介護

入居時には健康であったとしても、将来、身体が不自由になったり、痴呆になったりしてしまった場合に、介護やサービスを受けることが可能かどうか(「健康型有料老人ホーム」は不可)、可能な場合、それはホームから提供される(「介護付有料老人ホーム」)のか、それとも外部との別個の契約が必要なのかどうか(「住宅型有料老人ホーム」)、を明確にしておくことが重要です。また、24時間体制でケアが受けられるかどうかも、確認しておくべきことです。


③雰囲気・生活スタイル

例えば、介護型有料老人ホームの場合、介護不要者と要介護者が共に生活しています。その型は様々です。

混在型:自立可能、認知症、要身体介護、見守りなど、介護や身体機能の状態に関係なく、混在して自由に部屋を選択する形式です。

グループケア型:階によって、身体・介護状態などの住み分けをする形式です。

ユニットケア:少人数単位で、それぞれのグループの介護状態別に、担当者を決めて、専門的なケアを行う施設です。


④その他

食事:治療食(塩分やカロリーなどの制限、刻み食などの形態)を提供してもらえるかどうか、自炊は可能かなどです。もちろん、食事の味も大変重要です。

立地条件:交通の便、都会か田舎か、気候、また、買い物が可能な店、病院へのアクセスなども重要です。

契約をする前に、複数の施設を実際に何度か見学して、自分の目で見て確認することが大切です。

高齢化社会の需要に応じようとする傾向から、有料老人ホームの数が増加していることは、好ましいことといえます。しかし、その反面、入居してみたら思っていたのと違っていたというような、入居者と運営側とのトラブルなども、増加しています。

そのようなトラブルは、パンフレット等に記載されている情報と、実態とが食い違っていることが主な原因です。

完全に、自分の希望と一致する老人ホームを見つけることは、難しいかもしれませんが、逆に、「こんな有料老人ホームは、優秀なホームである可能性が、極めて低い」という例を、いくつか挙げてみたいと思います。どうぞ参考にしてください。


●有料老人ホームの届出をしていない老人ホームに要注意!

老人福祉法では、「有料老人ホームを設置するものは、あらかじめその施設を設置しようとする地の都道府県知事に届け出なければならない」と定められています。それにもかからわず、この届出を怠っている施設、いわゆる「類似施設」が、全国に数多くあります。

きちんと届け出が出され、必要な報告や調査が行なわれているということは、その老人ホームが、一定の基準を満たしているということを意味するので、ひとまず安心できるといえるでしょう。


●具体的な表記の欠けている老人ホームは要注意!

「アットホームな雰囲気です」、「親切なスタッフ」といった、あたりさわりのない表現ではなく、具体的に、何人の介護スタッフがいるのか、そのスタッフの資格の有無など、情報が具体的に明記されていることが重要です。

「終身介護」、「緊急時の対応」という場合には、それは具体的に何を意味するのかを、明記し、それが、基本的な管理費に含まれるのかどうか、もしくは、追加の費用が必要となるかのどうかについても確認するべきです。


●契約書、管理規定、重要事項の説明書が、提示されない老人ホームは要注意!

「すぐに契約を!」と急がせるばかりで、契約書や管理の規定など重要な書類をなかなか提示してくれない老人ホームは要注意です。契約内をきちんと把握しないまま契約を結んでしまうことは、絶対にしないように注意しましょう。


●体験入居制度がない老人ホームは要注意!

老人ホームを選択する前には、実際に自分で見学し、体験入居することで、思ってもみなかったような事実に気づくことがあります。

夜間の介護体制など、昼間には見えなかった点も確認できます。食事も、実際に食べてみることが必要です。その機会を与えない老人ホームは、避けたほうが無難でしょう。

その他、問題が発生した場合の窓口がない、スタッフの雰囲気や態度が良くない、他の入居者が生き生きと生活していないなどは、「これは要注意!」な施設のサインといえるでしょう。

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