2000年4月に、介護保険法が成立しました。そして、5年をめどに見直すという、当初の予定通り、2007年には、利用料の値上げや認定区分の変更など、大幅な見直しがされました。
また、2005年には、障害者自立支援法が成立しました。そして、身体障害、知的障害、精神障害という3つの障害の一体化、ケアマネジメントの導入が図られました。
障害者も介護保険を利用できるようにするために、介護保険と連動する仕組みをつくることが狙いです。いずれは、高齢者と障害者をひとつにまとめた、介護保険制度が確立されるだろうと予想されます。
厚生労働省は、急速な高齢化の進展に伴う、医療費の増大を抑制するために、療養病床数と入院日数を減らすという方向性を発表しています。実際、介護保険制度が始まって以来、「在宅サービス」の利用者は、2倍以上に増大し、「施設サービス」、つまり老人ホームの利用者も、やはり大幅な増加傾向にあります。
しかも、要介護4~5の人達の半数が、老人ホームといった、施設サービスを利用しているといわれています。保険制度というのは、負担と給付のバランスで成り立っています。このまま給付ばかりが増大するようになると、負担が危うくなることは目に見えています。
従って、給付を減らすための取り組みとして、できるだけ介護保険を利用しないでもすむように、予防に重点を置いた方策が打ち出されています。認定区分を変更し、要支援1、要支援2の認定者には、「予防プラン」として、「予防給付サービス」が実施されることになりました。
筋肉トレーニング、低栄養予防、口腔ケア、転倒予防、うつ予防、閉じこもり予防の他、予防訪問介護、予防適所リハビリテーションなどが実施されています。一方、要介護の認定者に対しては、ケアマネージャーによるケアプランと、介護保険サービス利用の実施がなされます。
それでも、今後、若い世代にも保険料を負担させざるを得なくなることは確実であり、それは時間の問題といえます。
要介護認定とは、介護サービスを利用するにあたり、サービスの利用者が、介護を要する状態であることを、介護保険制度において、公的に認定する制度です。
介護保険とは、40歳以上の国民から徴収した保険料と、国と地方自治体の公費を財源とし、また、介護が必要と認定された人に対しては、費用の一割を負担してもらい、サービスを提供するものです。
要介護認定を受けるには、最寄の市区町村の役場へ申請する必要があります。申請すると、調査が行われ、一次判定がなされ、その結果と、主治医の意見書をもとに、医療、保険、福祉などの専門家の審査会の敬意等によって、最終的な判断がくだされます。
認定は、介護の必要度により、「自立」、「要支援」、「要介護1~5」に分類され、「要支援」、「要介護」と認定されると、訪問ヘルパーの食事、入浴、トイレなど、身の回りのサポートや、リハビリテーション、介護施設の利用といったサービスを受けることができるようになります。
介護保険の対象は、自宅での訪問介護に限りません。施設で入居介護サービスを受けるときにも、介護保険を利用できます。
老人ホームに入所している場合も、もちろん適用が可能です。有料老人ホームの中には、入所の条件として、介護保険サービスを利用するための要介護認定を受けていることをあげるホームもあるほどです。また、認定された介護の必要度によって、ホームへ支払う料金も変化します。
有料老人ホームの場合、「住宅型」、「介護付」の場合に、有料老人ホームで受ける介護サービスに介護保険が適応されるので、要介護認定を受けていれば、各自己負担は、全費用の1割となります。
ただし、「住宅型」では、外部のヘルパーとの個人契約となります。一方、「介護付き」では、ホームに介護を行うことができるスタッフが常駐しているため、24時間いつでも介護を受けることができます。
介護保険は、40歳から、支払いが開始しし、一生涯続く社会保険制度です。
65歳以上の被保者(第1号被保険者)の利用者は、要介護状態(常に介護が必要な状態)や、要支援状態(日常生活に支援が必要な状態)になると、必要なサービスを受けることができます。
40~64歳の、第2号被保険者は、原則的に、サービスを受けることができません。「加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病を特定疾病」といされている、15種類の特定の疾患によって、要介護や要支援状態になった場合にのみ、サービスを受けることができます。
サービスの利用者は、介護サービス費用の1割を負担することとされています。老人ホームなどの施設では、この他に、食費や生活消耗品などの自己負担分が、必要となります。支払った費用の一部は、所得税の医療費控除の対象になります。
在宅の場合、被保険者の要介護度に応じて、利用できるサービスの上限が定められています。支給限度基準額を超えるサービスの利用については、介護保険の適用外で、全額自己負担となります。
在宅への配食サービスなど、介護保険の対象外のサービスも行われていますが、これらは全額が利用者の自己負担とされています。老人ホームに入居する場合は、在宅介護者との負担のバランスをとるため、居住費と食費が保険の給付対象からはずれ、その分、老人ホーム側が、利用者から徴収するかたちとなります。
ただし、上乗せサービス、横出しサービスが、市区町村単位で行われています。
●上乗せサービス
市町村の判断で、本来の介護保険の限度額を条例で引き上げ、限度額を上乗せすることをいいます。
●横出しサービス
市町村が、独自に、本来、介護保険サービスで定められている他に、配食サービスなどを特別給付や保険事業として追加することです。
老人ホームでの生活の中でも、市町村によって、これらのサービスを受けられることがあります。それぞれの市町村によって、よく確認してみるとよいでしょう。